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『タッピンねじ』と『タップを使用したねじ』との違いはありますか?

違いは精度の必要性にあります。『タッピンねじ』は、精度をそれほど要求しない場合に使用します。頻繁に開け閉めをしないような電気洗濯機の裏蓋等に使われています。『タップを使用したねじ』は、精密さや正確さが要求される場合に使用することが多いです。新幹線や航空機等に使われています。また、必要な時にいつでも取り外しが可能という利点があります。

タップの溝はなぜ必要なのですか?

タップの溝がないと切れ刃ができず、ねじを切ることができません。また、ねじを切った際に出来る切り屑を排出するためのスキマとしても必要なのです。溝が小さいと切り屑が詰まってねじを壊してしまったり、タップが折れたりしてしまいます。

砥石とは包丁を研ぐ時に使うものと同じですか?

いいえ。全く違うものです。研削砥石(Grinding Wheel)といって円盤状で皿のような形をしており、中心部に穴が空いています。実際に使用する場合はその穴を機械の主軸にはめ込み、高速で回転させながら外周部分で加工物を削ります。砥石の直径も様々で、大きいものは60センチ以上もあります。厚さ(幅)も1ミリ位から30センチ以上のものまで数多く存在し、砥石の目の粗さ(粒度)や硬さ(硬度)等、用途により使い分けられます。

タップの原材料はどんな物が使われているのですか?

原材料の説明だけでも詳しくすると大変複雑になってしまうので、簡略に説明します。

タップでねじを切る相手の材質(被削材質)は、鉄・鋳物・軽合金・ステンレス・チタン合金・合成樹脂等と非常に多岐にわたります。

被削材の変化に対応してタップの材料も様々に変化してきました。当初は特殊工具鋼の中でも合金工具鋼(SKS)が中心とされていたのです。しかし、戦後昭和20年(1945年)代からクロム・タングステン・モリブデン・バナジュウム・コバルト等といった高級元素を含む高速度工具鋼(HSS)が増え始め、合金工具鋼製のタップはほとんど使用されなくなりました。現在ではタップでねじ穴を加工する材料が次第に高度化してきています。工具(タップ)の材質もこれに耐えられるような高級材質が要求され、靭性の高いバナジュウムを多く含む高速工具鋼製が主流となっています。一般的に硬いものは摩耗しにくい反面折れやすく、柔らかいものは折れにくいが摩耗しやすいものです。ですが、タップは硬く、摩耗しにくく、靭性があって折れにくいことが要求されます。そこでバナジュウムを添加した高速度工具鋼を使用することにより、摩耗に強く靭性のあるタップを作ることができるのです。

ほかにも超硬合金を使用した超硬タップも存在しますが、未だ一般的ではありません。簡単に説明すると、炭化タングステンの粉末(鉛筆の芯を粉にしたような粉末)を固めて焼いたもので、陶磁器のように硬いのですが、衝撃に弱く割れやすいのが難点です。

被削材質に応じた用途別タップがあるとのことですが、材料の他に何か違いはあるのですか?

タップの形状(溝の幅、深さ、食付き部の角度等)、熱処理条件の最適化、場合によっては表面処理を施す等の違いがあります。

表面処理とはどういうものですか?

工具の表面に硬い被膜をつけて摩耗しにくくし、工具の寿命を伸ばすことができる処理です。昔は一部だけでクロムメッキを工具に施していましたが、近年タップに限らず切削工具全般に表面処理を施すことが一般化してきました。

ロールタップはどうして切り屑が出ないのですか?

通常、タップでねじを切る際には切り屑が発生します。ところがロールタップ(盛り上げタップ、転造タップ、溝なしタップ等ともいう)は、下穴を開けた被削材にタップを捩じ込んでくことで切らずにねじ穴を作り、切り屑を出しません。例えるなら木材に木ねじ(モクネジ)を使う際、あらかじめキリで空けた穴に木ねじを捩じ込んでいく様子に似ています。

ロールタップは溝も切れ刃も無く、金属の被削材に押し込みながらねじを作るタップですから被削材は比較的柔らかい金属に限定されます。ロールタップで加工したねじ穴は普通のタップのように金属繊維を切断しないので非常に丈夫です。また、切り屑を除去する手間も省けるので、今後需要が増えるものと思われます。

ダイスの内側に花びらのような穴がいくつか空いてるのは何のためですか?

切粉穴といい、タップの溝と同じ様に切り屑を排出するための穴です。

ダイスのねじはどのように加工するのですか?

タップとよく似た『種タップ』という工具を作り、そこでダイスのねじを切ります。

調整式のダイスはなぜ必要なのですか?

ねじの寸法を僅かに修正出来るように作られているものなので、高精度のねじ加工や切削条件が変わる場合のねじ切りに最適だからです。

有効径という概念は何のために必要なのですか?

一般的におねじとめねじをはめ合わせると、おねじの外径とめねじの谷の径、めねじの内径とおねじの谷の径との間にわずかな隙間があり、ねじ山の斜めの面、すなわちフランクが互いに接しているはずです。実際に力の伝達等の働きを決定しているのは、ねじ山の幅とねじ溝の幅が等しい位置にある有効径です。おねじとめねじの有効径の差が少ないと良好なはめ合いとなり、差が大きいとガタのある不良なはめ合いとなります。つまり、この有効径こそがピッチと共にねじを構成する上でもっとも重要な部分の一つなのです。

おねじやめねじが所定の寸法に仕上がっているかどうかを調べる方法としては『ねじプラグゲージ』や『ねじリングゲージ』を使って測ることが一般的で、どちらもこの有効径の部分で測定するようになっています。

多条ねじについてもう少し詳しく教えてください。

リードがピッチの2倍進むねじを二条ねじ、3倍進むねじを三条ねじといいます。一条ねじというのはねじの始まりが1カ所ですが、二条ねじは2カ所、三条ねじは3カ所から始まります(昔は1口ねじ、2口ねじ、3口ねじとも言われていました)。

普通の一条ねじの場合、ねじ溝を針先などで辿っていくと1回りで1ピッチ進むことがわかります。二条ねじの溝を辿ると1回りで2つ目の谷に出てきます。三条ねじの溝を辿ると1回りで3つ目の谷に出てきます。つまり一条ねじでは円筒上に1本のねじ溝だけですが、三条ねじは1回転で3ピッチ分進む3本のねじ溝が別々に切られているのです。このように多条ねじはそれぞれ違った溝をしています。

一条ねじでピッチが3倍になるようなねじを作れますか?

実際問題として、通常の三角ねじではそんなねじは出来ません。なぜなら、ピッチが大きくなるということはねじ山が大きくなること(谷の径が小さくなること)であり、おねじが弱くなってしまうからです。また、又径によってはねじ山が出来ません。

国によってねじの規格が異なるのはなぜですか?

他の国でも機械工業の発展と共に、それらに不可欠なねじの規格を独自に作り出しました。その結果、国により様々なねじ規格が誕生したのです。

世界共通の規格としてISO規格が制定されているというのは本当ですか?

ISO規格を世界共通の規格にする動きは活発ですが、完全に規格が一つになるのは難しいと思います。すでに欧州系のミリねじ(メートルねじ)と米国系のインチねじ(ユニファイねじ)の両方を認めざるを得ないという状況で、この問題の背後には政治的要素も絡んでいるので簡単にはいかないようです。

寸法を言う時に『基準寸法』という表現を使うのはなぜですか?

機械工具に限らず、すべての工業製品は完全に寸法通りに出来上がるものではありません。そこで基準となる寸法を設定し、公差や許容差と呼ばれる誤差の範囲が決めてあります。ねじやタップの場合も同様に基準寸法を設定し、それぞれに許容差を決めてあります。ねじやタップの場合の許容差はマイクロメートル(以前はミクロン)と言って、1/1000ミリという、小さな単位を使用します。実際の寸法は基準寸法に必ず+、-、±の許容差を付けて表現するのが普通です。

おねじとめねじは同じ寸法で加工すれば良いのですか?

いいえ。例えば、正確に作られた直径6ミリの円筒形の穴に直径6ミリの円柱が入らないのと同様で、同一寸法のねじでもおねじとめねじでは若干違う寸法で加工しなければなりません。

例として、外径6ミリでピッチが1ミリのねじの場合は、以下のような寸法になります(精度はJIS2級メートル並目ねじの場合)。

<基準寸法>[単位mm]
外径6.000 有効径5.350 谷径4.917
<おねじの寸法>[単位mm]
外径5.970~5.820 有効径5.320~5.220 谷径4.743~
<めねじの寸法>[単位mm]
外径 規定しない(但し6以上) 有効径5.470~5.350 谷径5.153~4.917

おねじの外径がめねじの谷の径、おねじの谷の径がめねじの内径に相当しますので、それぞれのめねじの寸法がおねじより若干大きくなっていることが分かります。通常、おねじは基準寸法より小さく、めねじは基準寸法より大きいのです。従って別々に作られたおねじとめねじでも必ずはめ合いできるようになっています。

なぜめねじの寸法とタップの寸法が違うのですか?

タッピングは決められた寸法に空けられた下穴にタップを挿入し、ねじ山を切削してめねじを加工しますが、めねじの寸法はタップと同じ寸法になるとは限りません。タップより大きく仕上がる(拡大)のが一般的です。そのためタップの有効径寸法は、めねじの寸法の範囲内で基準寸法に近くし、許容差も小さくしてあります。

並目と細目はどのように使い分けるのですか?

極端な例ですが、厚さ1.5ミリの鉄板に外径8ミリのねじを取り付けるためのめねじを切る場合、並目のねじではピッチが1.25ミリなのでねじ山が1山余りしかなく、不安定で弱いめねじになってしまいます。細目ねじのピッチ0.75ミリのタップを使えば、2山のねじが切れます。

特にこのような制限のない場合は原則として並目ねじを使用することになっています。

タップの先端のねじ山が斜めに切り落としてあるのはなぜですか?

タップでめねじを切る際、刃が欠けたりするのを防ぐためです。被削材にいきなり完全なねじ山を切ろうとすると、タップに過大な力がかかり刃が欠けてしまいます。タップの先端のねじ山が斜めになっていることで、少しずつねじを切っていくことができ、負担が少なくなるのです。

中タップや上げタップの必要性はありますか?

通り穴の場合、先タップだけでめねじを切ることができます。しかし止り穴の場合、先タップだけではめねじの奥の方が不完全山のままになってしまうため、完全山に仕上げるために中タップや上げタップが必要なのです。

完全山が沢山ある必要はありますか?

理屈の上、完全山は倣いだけなので1山でもよいと考えられます。しかし実際問題として、完全山が1つしかないタップを使うと加工時にタップが不安定になり、せっかく切っためねじが狂ったり、壊れたりする恐れがあります。また、通り穴の場合はタップが先の方に抜けてしまい、戻す時に不具合が生じてしまう恐れも出てきます。

最近では中タップ形状や上げタップ形状の1本で仕上げると聞きましたが本当ですか?

最近ではタップの性能が向上したことや工作機械の改良等から、3本を組として使うケースは減っているのが現状です。ちなみに、仕上げで先タップ形状を1本で使用しないのは、止り穴の場合に不完全ねじ山がたくさん残ってしまうからです。

タップを横にしてねじ立てすると、トラブルが起きやすいと言われるのはなぜですか?

切り屑が絡まりやすくなったり、タップと下穴の芯がズレやすくなるといったトラブルが起きやすいのは、重力等の影響があるからです。だからタップでねじ立てをする場合は、ほとんどタップを縦に使用します。一般的に横立て専用のタップというものはありません。しかし、工作上の都合で横からねじ立てをしなければならない場合、特殊品等で切り屑の排出しやすい設計を加えたり、オイルホールタップ等で切削油を大量使用する等して切り屑の絡まりを防ぎます。

インサートコイル用タップはどんな場合に使用するのですか?

まず『インサートコイル用タップ』とは、切られたねじ穴のピッチに対応したスプリング状のコイルが挿入されているもののことをいいます。

主に着脱して摩耗してしまった非常に柔らかい材質のめねじを強化する場合に使用します。また、大きく空けすぎてしまったねじ穴の径を補正する場合や、新たに大きなねじ穴を空けたりする場合にも使用されます。

ドリル付きタップがあまり使われないのはなぜですか?

タップの先にドリルが付いた複合工具ですが、ドリルとタップでは作業する場合の回転数や送りが違うので、一つの工具として使うには無理があるのです。

ドリルで下穴を空けてタップでねじ立てをする作業を一度に出来る便利性がありますが、その反面ドリルかタップのどちらか一方でも欠けたり摩耗してしまえば使えなくなってしまいます。

タップは他の切削工具に比べ、超硬材質への切り替わりが遅いと言われているのはなぜですか?

タップが他の切削工具と一番異なっているのは、ねじ立て後必ず逆転しなければ抜くことが出来ないという点です。そのため回転が遅く、他の工具のように高速で切削出来ないので超硬にするメリットが少ないのです。超高速タップも実際に開発されましたが、他の切削工具の回転速度と比べると未だ相当遅いものです。

コーティングタップとは何ですか?

これはタップの種類ではなく、タップの表面を固くして寿命をのばすために処理をしたもののことです。コーティングの種類も様々で、一般的なチタンコーティングの他、最近ではダイヤモンドコーティングまで検討され、一部では実用段階に入っています。

使用するタップにより溝に違いは出てきますか?

溝の種類によって、切り屑の排出方向に違いが出てきます。溝が斜めに弦巻状に切ってある『スパイラルタップ』は、切り屑がスパイラル溝を通って上方(タップの進行方向と逆)に排出されます。タップの軸線と平行に切ってある『ハンドタップ』は、切り屑の一部が上方へ排出されますが、スパイラル溝の方が切り屑がスムーズに排出されます。ハンドタップと同じような直線の溝で先端部分の溝が斜めに曲がって切られている『スパイラルポイントタップ』は、切り屑が前方(タップの進行方向)に排出されます。

切り屑を上方へ出したり、下方へ出したりするのは何のためですか?

それはねじ穴の種類に関係があります。ねじ穴には『止り穴』と『通り穴』があります。止り穴とは被削材の途中までめねじが加工され、貫通していないねじ穴のことです。通り穴とは文字通り被削材を貫通しているねじ穴のことです。止り穴の場合に、切り屑が前方に排出されるタップを使うと、切り屑の逃げ場が無くなりタップの折損を起こしてしまいます。逆に通り穴の場合に切り屑が前方に排出されるタップを使うと能率的です。切り屑の排出方向が違うのはこのためです。

UN (UNC, UNF and UNEF) とUNJ (UNJC, UNJF and UNJEF)の違いについて教えてください。

UN (UNC, UNF and UNEF) とUNJ (UNJC, UNJF and UNJEF)の違いについて説明します。UNJはおねじ谷の径とめねじ内径がUNよりも大きく規定されています。さらに、おねじは谷の径に丸みを持たせています。これはおねじの強度を高める為です。

UNJねじはMIL規格により定められており、航空機用部品の締結に主に使用されています。おねじは3A、めねじは3Bの組み合わせのみです。

また、UNJのめねじ加工にはUNねじ用のタップを使用することができますが、下記の注意が必要です。

  • 用いるタップで3Bめねじが加工可能なこと。
  • 下穴径はUNJめねじ内径寸法で加工すること。

UNCとUNJCのめねじ内径許容差比較例(1/4-20UNCと1/4-20UNJCの比較)
min max
1/4-20UNC (3B) 4.979mm 5.250mm
1/4-20UNJC (3B) 5.114mm 5.387mm